2011年11月27日日曜日

先人の残した汚点

福島県は国内で稼動していた原発50数基のうちの約2割にあたる10基がある原発立地県でした。今このような事故が起こり、いつかは起こるかもしれないリスクと隣り合わせにいた事を日常は忘れて生活をしていました。戦後の昭和30年代頃から国の政策として資源に少ない日本を世界の中で競争していくには原子力しかないとして福島県選出の国会議員、当時の県知事らが誘致した経過があります。当然反対も多かったと思います。企業の誘致は大きな産業のない所では雇用の創出や地域経済を潤す大きな効果があり、地元の市町村には交付金などの形で経済的な恩恵もありました。今回、校庭の表土を剥いだ土の置き場に困り東京の電気を使って恩恵を受けていた家庭や事業所に宅配しておすそ分けをして、苦しみを分かち合えばいいと発言した人もいましたがリスクと裏腹に交付金(税金)の形で経済的に潤っていたのは県内で一番裕福だった大熊町や双葉町だったのも事実です。東電で多くの人達が働いていたのが事故によって失職状態になりました。今回、このような事故を起こして今でも数万人が故郷を捨て避難生活で苦しんでいる姿をかつて誘致に尽力した先人政治家達は草葉のかげでこの現実を何を思い見つめているのでしょうか。

2011年11月18日金曜日

規制値超える米の問題

昨日から福島市大波地区の暫定規制値を超える玄米が出た報道がなされ大きな問題になっています。福島県では米の出荷前に県内各市町村の地区ごとにかなりの密度で2段階の検査を実施して知事自ら安全宣言を行ったばかりです。4月の県で実施した県内の土壌調査では土壌1キロ当たり5、000ベクレル以下の農地を耕作可能としました。これは日本では水稲に関しては放射性物質の土壌からの移行の知見があった結果示された値といわれます。当初、国では県単位の規制をしていました。しかしそれでは地域差がありすぎるという事で市町村単位に切り替えました。しかし私は市町村単位のサンプル調査でも安全と宣言とするのは消費者を納得させるに充分とは思いません。検査体制や機器の問題はあるものの出来る限り多くの調査と正しい情報伝達がこの風評を減らしていくには大切に思っています。私自身、原発事故以来、土壌、果実の検査を自主検査も含めて園地別、種類別、品種別に13点を行いました。結果は検出しないものから微量検出されたものまでありますが自分の生産物の状況を知るだけでなく消費者に正しい情報を提供することが可能です。今回問題の大波地区は避難勧奨地域になっている伊達市小国地区だった所で福島市でも最も線量の高かった地区なのでもっと注意して検査すれば良かったのかも知れません。県内の検査結果では85%が放射性物質が検出されず、残り15%の米も精米すればゼロとなる20ベクレル以下という結果だったそうです。今後は県や市などの行政ばかりでなく生産者団体のJAなども本腰入れて数多くの調査を実施して市場、消費地に啓蒙PRする必要があると思います。それが消費者の安心購入、風評の減少につながると思っています。

2011年11月5日土曜日

もも樹の除染

今年の私の桃園の果実の自主検査ではごく微量ですが放射性セシウムが検出されました。全く問題の無い値ですが、このようなご時勢です。少しでも安全な桃を美味しく食べていただくためにも、桃樹の除染作業を行いました。県果樹研究所の研究成果によると約45%まで付着している放射性物質を除去可能とのことです。除染した物質は地表に落ちますが土壌に吸着して表面にあるために桃の根圏の20~80センチにはほとんど問題ないとしています。チェルノブイリでも畑作物や果樹のぺカンや胡桃のデータはあるものの私達の落葉果樹に関するデータはほとんどありませんので世界でも始めてのケースです。果実に移行した放射性物質は事故でホールアウトした時に飛散したものが幹、枝、芽に付着したものが果実に出たもので根から吸い上げたものではないだろうとの見解です。専門の方の予想でも来年はほとんど検出されないのではないかと見ています。是非、生産する私達もそのようになる事を願っています。

2011年11月3日木曜日

原発事故の損害賠償請求

8月に入り福島の桃は全国の市場で大暴落しました。福島桃の主力「あかつき」の取引価格は例年の3分の1、生産者の手取りは10分の1でした。これではとても再生産は不可能です。
8月20日までのJA共販部分の補償支払いが明日100%実施される旨の連絡が入りました。また、先月末には桃全体の価格下落分の補償請求、原発事故に伴って発生した関連費用の請求をJAを通じて済ませました。少なくとも桃の再生産に必要な経費と所得相当分の補償は最低限と考えます。それで無くともその他にも経済損害に計上出来ない様な心的、物的被害も数多いと思っています。ある日、突然起きた事故が一瞬にして被害者となってしまいました。何ひとつ非のない私達を・・・・・ここに原発があっただけで・・・・どうして東京湾に原発を作らなかったのでしょう?火力発電所は沢山あるのに・・・それは万一の事故を想定していたからと思わざるを得ません。国策でもありましたので事業者だけでなく国は最後まで被災者に対してきちんと責任をとっていただきたいです。